オバマ大統領が慰安婦問題で「おぞましい」との発言の理由
訪日後、昨日(25日)の午前に韓国へ向かったオバマ大統領。
首脳会談後の共同記者会見で、慰安婦問題について踏み込んだ言及を行い話題となっていますが、この発言に理由について考察してみました。
慰安婦問題で「おぞましい」発言
報道によると、オバマ大統領は慰安婦問題でこのような発言をしました。
(慰安婦問題について)おぞましい人権侵害だ
歴史を振り返った時、例えば韓国の慰安婦の女性に起きたことは恐ろしくておぞましい人権侵害だと認識されなければならない
(中略)
何が起きたのか正確な事実を見極める必要がある
この発言に対して、当然(?)ネットでは批判的な意見が大多数を占めています。
訪日の際には比較的歓迎ムードだっただけに、冷水を浴びせられたと感じる人も多いでしょうね。
ただ、この発言は米大統領としてかなり「踏み込んで」はいますが、米国の基本的な考えに変化があった訳ではありません。
オバマ大統領の意図は?
今回の発言は、日本政府の公式の見解とも一致していますし、世界的な歴史認識に波紋を起こす話でもありません。
それは、安倍首相が3月14日に予算委員会で「河野談話は見直さない」と明言していることから明らかで、慰安婦問題に疑義を唱える方が独走した形になってしまいます。
ただ、実際にはオバマ大統領の「過去を振り返りながら未来に向かうべきだ」が本音で、ここまで「踏み込んだ」発言によるリップサービスをしたうえで、「日韓で仲良くしてほしい」というのが言いたかったことです。
現在、韓国は急速に中国に擦り寄る動きを見せているので、米国としては韓国を引き留めておきたいとの狙いがありますからね。
また、今回の発言では「何が起きたのか正確な事実を見極める必要がある」とも言っているように、「事実である」という見解ではなくて「現状の(世界的な)歴史認識」であると裏道を用意しています。
要するに、今後、現状の歴史認識が事実によって塗り替えられる可能性について含みを残したことになりますね。
日本人としては、今回のオバマ大統領の発言にキーキー批判するのではなく、事実によって塗り替える為に検証作業やロビー活動を粛々と行っていくしかないわけです。